税金

所得税はいくらかかる?税理士が解説!

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小西 椋磨

はじめに

所得税は、個人の所得に対して課される税金です。所得税の計算方法や税率について理解することは、個人事業主やフリーランスにとって非常に重要です。本記事では、所得税の基本的な計算方法や税率について、詳しく解説します。

所得税とは

所得税とは、個人の所得に対して課される税金のことです。所得には、給与所得、事業所得、不動産所得、配当所得などが含まれます。所得税は、所得の種類や金額に応じて異なる税率が適用されます。

所得税の計算方法

所得税の計算方法は以下の通りです。

  1. 総所得金額の計算: まず、全ての所得を合計して総所得金額を計算します。総所得金額には、給与所得、事業所得、不動産所得、配当所得などが含まれます。給与所得及び事業所得については算出方法を後述します。
  2. 所得控除の適用: 総所得金額から各種所得控除(基礎控除、配偶者控除、扶養控除など)を差し引きます。所得控除とは、納税者が一定の条件を満たす場合に、所得から差し引くことができる金額のことです。
  3. 課税所得金額の計算: 所得控除を差し引いた後の金額が課税所得金額となります。課税所得金額とは、実際に税金が課される所得の金額のことです。
  4. 税率の適用: 課税所得金額に応じた税率を適用して所得税額を計算します。所得税の税率は累進課税制度に基づいており、所得が増えるほど高い税率が適用されます。

所得控除とは

所得控除とは、所得税の計算において、総所得金額から差し引くことができる金額のことです。代表的な所得控除には以下のものがあります。

  • 基礎控除: 全ての納税者が受けられる控除で、48万円が控除されます。基礎控除とは、納税者が特定の条件を満たさなくても受けられる控除のことです。
  • 配偶者控除: 配偶者が一定の所得以下である場合に受けられる控除です。配偶者控除とは、納税者の配偶者が年間所得が48万円以下の場合に適用される控除のことです。
  • 扶養控除: 扶養家族がいる場合に受けられる控除です。扶養控除とは、納税者が扶養している家族(子供や親など)がいる場合に適用される控除のことです。

給与所得の算出方法

給与所得とは、会社などから支払われる給与や賞与などの所得のことです。給与所得の算出方法は以下の通りです。

  1. 給与収入の合計: まず、1年間に受け取った給与や賞与などの総額を計算します。
  2. 給与所得控除の適用: 給与収入から給与所得控除を差し引きます。給与所得控除とは、給与所得者が受けられる特別な控除で、収入に応じて一定の金額が控除されます。

給与所得控除の計算方法は以下の通りです(2024年現在)。

給与収入(円)給与所得控除額(円)
1,625,000以下550,000
1,625,001~1,800,000給与収入 × 40% – 100,000
1,800,001~3,600,000給与収入 × 30% + 80,000
3,600,001~6,600,000給与収入 × 20% + 440,000
6,600,001~10,000,000給与収入 × 10% + 1,100,000
10,000,001以上2,200,000

例えば、給与収入が3,000,000円の場合、給与所得控除額は以下のように計算されます。

給与所得控除額 = 3,000,000 × 0.3 + 80,000 = 980,000円

この場合、給与所得は以下のように計算されます。

給与所得 = 給与収入 – 給与所得控除額

給与所得 = 3,000,000 – 980,000 = 2,020,000円

事業所得の算出方法

事業所得とは、個人事業主やフリーランスが事業活動から得る所得のことです。事業所得の算出方法は以下の通りです。

  1. 総収入金額の計算: まず、1年間に得た事業収入の総額を計算します。事業収入には、売上やサービス提供による収入が含まれます。
  2. 必要経費の差し引き: 総収入金額から必要経費を差し引きます。必要経費とは、事業活動に直接関連する費用のことです。例えば、仕入れ費、広告費、交通費、通信費、事務用品費などが含まれます。

例えば、総収入金額が5,000,000円で、必要経費が2,000,000円の場合、事業所得は以下のように計算されます。

事業所得 = 総収入金額 – 必要経費事業所得

事業所得 = 5,000,000 – 2,000,000 = 3,000,000円

所得税率について

所得税率は累進課税制度に基づいており、所得が増えるほど高い税率が適用されます。以下に、2024年現在の所得税率を示します。

課税所得金額(円)税率(%)控除額(円)
1,000,000以下50
1,000,001~1,950,0001097,500
1,950,001~3,300,00020427,500
3,300,001~6,950,00030636,000
6,950,001~9,000,000331,536,000
9,000,001~18,000,000402,796,000
18,000,001以上454,796,000

例えば、課税所得金額が3,000,000円の場合、税率は20%で、控除額は427,500円です。この場合の所得税額は以下のように計算されます。

所得税額 = 課税所得金額×税率 – 控除額所得税額

所得税額 = 3,000,000 × 0.2 – 427,500 = 172,500円

このように、課税所得金額に応じて適用される税率と控除額を考慮して所得税額を計算します。

まとめ

所得税は、個人の所得に対して課される重要な税金です。所得税の計算方法や税率を理解し、適切に対応することが求められます。個人事業主やフリーランスにとって、所得税の知識は非常に重要です。必要な届出書類や提出期限を守り、正確に申告・納付することが大切です。

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小西 椋磨
小西 椋磨
税理士・公認会計士
税理士法人淀川パートナーズの代表をしています。 税理士・公認会計士の資格を持っています。 趣味はサッカー、サウナ、カフェ巡り、読書です。
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