【消費税】原則課税と簡易課税!どっちが有利?
今回は、消費税の原則課税制度と簡易課税制度の違いや、それぞれのメリット・デメリットについて解説します。
✔ 原則課税制度と簡易課税制度の違いが知りたい
✔ どちらを選ぶべきか判断に迷っている
✔ 仕入税額控除や事務手続きの負担が気になる
などの疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
消費税の課税制度の選択は、事業者にとって重要な節税対策のひとつです。
この記事では、両制度の仕組みやメリット・デメリット、選択のコツをわかりやすく解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、最適な課税制度を選ぶためのヒントを得てください。
原則課税制度とは?
原則課税制度とは、消費税の課税対象となる売上高に対して、支払った仕入れにかかる消費税額(仕入税額)を控除した額を納付する制度です。
つまり、課税売上にかかる消費税額から、課税仕入にかかる消費税額を差し引いて納付額を計算します。
原則課税制度は、全ての事業者が基本的に適用することができ、仕入税額控除を活用することで実質的な負担を軽減できるのが特徴です。
しかし、取引の内容や数が多い事業者にとっては、申告手続きが煩雑になることもあります。
原則課税制度のメリットとデメリット
メリット
- 仕入税額控除が実際の取引に基づくため、正確な消費税額の計算ができる。
- 仕入や設備投資が多い事業者にとっては、控除額が多くなり、消費税負担を軽減できる可能性がある。
デメリット
- 取引の管理が複雑になり、申告手続きも手間がかかるため、経理体制が整っていないと負担が増加する。
- 小規模事業者の場合、簡易課税の方が消費税負担が軽減できる可能性もあるため、慎重に判断する必要がある。
簡易課税制度とは?
一方、簡易課税制度は、事業者が実際に支払った仕入税額を基にするのではなく、売上高に一定の割合(みなし仕入率)を掛けて仕入税額控除額を計算する制度です。
この制度は、売上高が年間5,000万円以下の中小事業者が利用でき、事務負担を軽減できる点が大きなメリットです。
ただし、簡易課税制度を選択すると、みなし仕入率に基づく仕入税額控除額しか認められないため、仕入額が多い業種にとっては不利になる場合もあります。
仕入税額控除の対象となる取引とは?
仕入税額控除を適用するためには、外部に支払った金額に消費税がかかっている取引であることが必要です。
具体的には、原材料費、広告宣伝費、水道光熱費、交通費など、さまざまな費用が課税仕入れに該当します。
一方で、給与や賞与、退職金など、自社の役員や従業員に対して支払う人件費は課税取引には含まれません。
そのため、いくら人件費を支払っても消費税の納税額に影響はありません。
また、健康保険料や厚生年金保険料、雇用保険料なども消費税が課されていないため、仕入税額控除の対象外です。
ただし、派遣社員に支払う費用は外注費として扱われ、仕入税額控除の対象となります。
原則課税と簡易課税の選び方とは?
原則課税制度と簡易課税制度のどちらを選ぶかは、以下のポイントを基に判断するとよいでしょう。
- 売上規模:年間売上高が5,000万円を超える事業者は、簡易課税を選択できないため、自然と原則課税が適用されます。5,000万円以下の事業者は、どちらが有利か検討する余地があります。
- 仕入額の多さ:仕入や設備投資が多い事業者は、原則課税制度を選んだ方が、実際の仕入税額控除が多くなり有利です。
- 事務負担:経理体制が整っていない小規模事業者や、事務作業を簡略化したい場合は、簡易課税制度が適しています。みなし仕入率に基づくため、計算がシンプルです。
- 業種による違い:サービス業など、仕入れが少ない業種では簡易課税が有利になることが多いですが、製造業や小売業のように仕入れが多い業種では原則課税の方が有利です。
どちらを選択すべきかどうかは、自社の事業内容や仕入構造をよく分析し、どちらが有利かを事前にシミュレーションすることが重要です。
また、将来の事業拡大や売上増加が見込まれる場合には、2年間制度変更ができないリスクも考慮する必要があります。
まとめ
消費税の課税制度は、事業者にとって大きな影響を与えるため、慎重に選択する必要があります。
原則課税制度は仕入税額控除が正確に反映される一方、事務負担が大きくなることがあります。
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