税金

創業間もない社長が知っておくべき法人税の基礎知識

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小西 椋磨

はじめに

創業間もない社長にとって、法人税の基礎知識を理解することは非常に重要です。特に、どんなものが経費として認められるのか、売上の計上タイミング、そして税理士に依頼するベストなタイミングについて詳しく解説します。

経費として認められるもの

経費とは、事業を運営するために必要な支出のことです。以下は、一般的に経費として認められるものです。

  1. 人件費: 従業員の給与や賞与、社会保険料など。
  2. 事務所費用: 事務所の賃料や光熱費、通信費など。
  3. 交通費: 事業に関連する出張や移動のための交通費。
  4. 接待交際費: 取引先との会食や贈答品など。ただし、一定の限度額があります。
  5. 消耗品費: 事務用品や消耗品の購入費用。

経費として認められないもの

一方で、以下のような支出は経費として認められないことが多いです。

  1. 個人的な支出: 社長や従業員の個人的な買い物や旅行費用。
  2. 罰金や過料: 法律違反による罰金や過料。
  3. 資本的支出: 建物や設備の購入費用。ただし、減価償却として計上することができます。

社用車が経費として認められるか

社用車は、事業に関連する使用が主であれば経費として認められます。ただし、以下の点に注意が必要です。

  1. 使用目的の明確化: 社用車が事業に関連する使用であることを明確にする必要があります。例えば、営業活動や顧客訪問など。
  2. 使用記録の管理: 社用車の使用記録を適切に管理し、事業に関連する使用と個人的な使用を区別することが重要です。
  3. 減価償却: 社用車の購入費用は一度に全額を経費として計上するのではなく、減価償却として数年間にわたって計上します。

売上の計上タイミング

売上の計上タイミングは、事業の種類や取引の内容によって異なります。基本的には、入金のタイミングではなく、以下のタイミングで売上を計上します。

  1. 商品販売: 商品が顧客に引き渡された時点。
  2. サービス提供: サービスが完了した時点。
  3. 請求書発行: 請求書を発行した時点。ただし、実際の入金が確認できるまで売上を計上しない場合もあります。

福利厚生が認められるもの

福利厚生とは、従業員の生活や労働環境を向上させるための支出のことです。以下は、一般的に福利厚生として認められるものです。

  1. 健康診断費用: 従業員の健康診断にかかる費用。
  2. 社宅費用: 従業員のための社宅の賃料や光熱費。
  3. レクリエーション費用: 社員旅行や社内イベントの費用。
  4. 通勤手当: 従業員の通勤にかかる交通費。

どんな時に福利厚生が認められるのか

福利厚生経費として認められるためには、以下の条件を満たす必要があります。

  1. 全従業員が対象福利厚生は全従業員が対象となるものであること。
  2. 事業に関連する支出福利厚生が事業に関連する支出であること。
  3. 適切な記録の管理福利厚生にかかる費用の記録を適切に管理すること。

役員だけの企業の場合

役員だけの企業の場合、福利厚生経費として認められないことが多いです。これは、福利厚生がそもそも従業員やその家族の健康や生活を向上させるために実施する施策・取り組みを対象としているためです。役員のみが対象となる福利厚生は、実質は役員報酬であるとして、課税される可能性があります。

法人税の確定申告は税理士に依頼するべきか

簡単な所得税の申告は自分で行う人も多いですが、法人税の申告は複雑で専門的な知識が必要です。そのため、法人税の確定申告は基本的に税理士に依頼することがほとんどです。税理士に依頼することで、正確な申告ができるだけでなく、節税対策や税務調査への対応もスムーズに行うことができます。

税理士に依頼するベストなタイミング

税理士に依頼するタイミングは、事業の状況やニーズによって異なりますが、以下のタイミングが特におすすめです。

  1. 事業を始める前: 事業形態の選択や必要な届出書類の準備、税務上のメリットを最大限に活用するためのアドバイスを受けることができます。
  2. 融資を検討している時: 事業計画書の作成や金融機関との交渉が必要です。税理士はこれらの手続きをサポートし、融資の成功率を高めるためのアドバイスを提供します。

社長が意識すべきポイント

創業間もない社長が特に意識すべきポイントは以下の通りです。

  1. 適切な経費計上経費として認められるものと認められないものを正しく区別し、適切に経費を計上することが重要です。
  2. 売上の正確な計上売上の計上タイミングを正確に把握し、適切に売上を計上することが求められます。
  3. 帳簿の管理: 適切な帳簿を作成し、税務調査に備えることが必要です。
  4. 税務相談の活用: 税務に関する疑問や不安がある場合は、専門家に相談することをお勧めします。

まとめ

創業間もない社長にとって、法人税の基礎知識を理解することは非常に重要です。特に、経費として認められるものと認められないもの、売上の計上タイミング、そして税理士に依頼するベストなタイミングを押さえることで、適切な税務管理を行いましょう。税務に関する疑問や不安がある場合は、専門家に相談することをお勧めします。

ABOUT ME
小西 椋磨
小西 椋磨
税理士・公認会計士
税理士法人淀川パートナーズの代表をしています。 税理士・公認会計士の資格を持っています。 趣味はサッカー、サウナ、カフェ巡り、読書です。
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