販売計画がカギ!誰でもできる数値計画の立て方と成功の秘訣を紹介

販売計画とは、売上目標を達成するための重要な設計図です。
新たに事業を始めたばかりの方や、事業の成長を目指す企業にとって、販売計画をしっかりと立てることは経営の成功に直結します。
しかし、「どうやって販売計画を作れば良いのか分からない」「具体的な数値の設定方法が知りたい」という方も多いのではないでしょうか。
本記事では、販売計画の基本から、具体的な数値計画の立て方、さらに売上高の算出方法まで、分かりやすく解説していきます。
販売戦略を強化し、資金繰りの安定を目指す方必見の内容です。
なお、損益計画・資金繰り表についてはこちらで詳細に解説しています。


販売計画とは?販売と数値計画について解説!
販売計画とは、主に販売戦略と具体的な数値計画から構成されています。
【販売計画】
✔ 販売戦略
どのような商品・サービスを、どのような顧客に、どのような値段で、どのように販売するかについての戦略
✔ 数値計画
販売戦略を数値にした計画であり、商品・サービスの販売個数や価格を決める計画
数値計画の作成方法とは?
ここからは、販売戦略に基づいて数値計画を作成していきます。
数値計画の作り方は業種ごとに異なるため、正解はありません。
しかし、作成にはセオリーがありますので、そのセオリーを理解することで数値計画を作成することができます。
月間の売上高の算出
ここからは、月間の売上高の算出方法について解説していきます。
まず、月間の売上高を校正する項目を細かく分けていきます。
具体的には、1日当たりの売上高×営業日数とすることが一般的です。
そして、さらに1日当たりの売上高を細分化(客単価×客数)していきます。
売上高の算出とは?
売上高の算出方法は、業種によって異なります。
ここでは、いくつかの業種を紹介します。
【売上高の算出方法の具体例】
✔ 洋風居酒屋
客単価 × 席数 × 回転率 × 営業日数
✔ 美容院
客単価 × 台数 × 回転率 × 営業日数
✔ 内装工事業
1件当たりの単価 × 件数
✔ 学習塾
1コマ当たりの単価 × コマ数 × 生徒数 × 学年
✔ 介護サービス
平均単価 × 契約者数
各項目の算出方法とは?
売上高の算出方法については上記で解説しましたが、これからはそれぞれの項目についての算出方法を解説します。
【各項目の算出方法】
✔ 客単価
事業を営む地域の状況や商品・サービスの質等の販売戦略を基に決定します。
✔ 席数、台数
実際の席数、台数を当てはめます。
✔ 回転率
1日でお客様が何回転するか、席数が10席で1日に30人が来店するのであれば3回転となります。
客単価やブランディングによって異なるため販売戦略を基に決定します。
以上のように、細分化したそれぞれの項目に数値を当てはめることで月間の売上高を算出することができます。
それぞれの項目に当てはめる数値に客観的な根拠があると、販売計画自体の信頼性も高まってきます。
原価の算出とは?
原価の算出方法は大きく分けて2つの方法があります。
【原価の算出方法】
✔ 変動費と固定費に分ける方法
変動費:売上に連動して金額が変わる費用(材料費や配送費など)
固定費:売上に連動せず発生する費用(家賃や人件費など)
✔ 売上原価と販売管理費に分ける方法
売上原価:売上に直結する費用(材料費や美容院の人件費など)
販売管理費:売上に間接的に関連する費用(家賃や居酒屋の人件費など)
売上高と同様に、原価の算出方法についても業種ごとに異なります。
それぞれの業種に合った算出方法で原価を算出しましょう。
どの方法でも、費用の発生金額が大きい項目から推測することが大切です。
【例 洋風居酒屋の場合】
洋風居酒屋は、食材の仕入れや人件費、家賃がメインの費用と想定されます。
食材の仕入れ:変動費 売上高に対する原価の割合である原価率を推測
人件費:固定費 従業員やアルバイトの人数から算出
家賃:契約中もしくは契約予定の物件の家賃
販売計画でよくある失敗例とその対策とは?
販売計画は事業の方向性を定め、売上目標を達成するための重要な指針です。
しかし、計画の立て方や運用方法を誤ると、かえって業績悪化を招くこともあります。
ここでは、販売計画でよくある失敗例とその対策について解説します。
抽象的な目標設定で行動に落とし込めない
失敗例: 「売上を伸ばす」「顧客満足度を高める」など、漠然とした目標だけを掲げてしまい、具体的な行動につながらないケースがあります。
対策: 目標は「SMART(具体的・測定可能・達成可能・関連性・期限)」の原則に沿って設定しましょう。たとえば、「今期中に新規顧客を30件獲得する」など、数値と期限を明確にすることで、行動計画が立てやすくなります。
客観的根拠のない数値設定
失敗例: 前年の売上や市場動向を考慮せず、「とりあえず前年比120%」など根拠のない目標を設定してしまうことがあります。
対策: 過去の実績、業界平均、競合の動向などを分析し、現実的な数値を設定することが重要です。必要に応じて、外部の専門家や税理士に相談するのも有効です。
固定費・変動費の区分が曖昧
失敗例: 原価や経費の分類が不明確で、利益率の予測が不正確になるケースがあります。
対策: 固定費(家賃・人件費など)と変動費(仕入・外注費など)を明確に区分し、それぞれの影響を把握したうえで計画を立てましょう。販売数量の変化に応じた費用の増減も考慮する必要があります。
まとめ
今回は、販売計画の作り方について解説しました。
販売計画の作成に正解はないため、セオリーを理解することが大切です。
販売計画は作成して終わりではなく、定期的に実績との比較を行い、必要に応じて見直すことで、精度を高めることができます。
市場環境の変化や競争状況に応じて、柔軟に対応することが成功の鍵です。
私たち「淀川パートナーズ」は、販売計画の作成支援や経営相談など幅広く対応しています。
経理や税金、経営に関することもご相談は無料で受けていますので、お気軽にお問い合わせください。