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個人事業主必見!法人化で失敗しないためのデメリット解説!

法人化で失敗しないためのデメリット解説!
堀真彰

個人事業主として順調に事業が成長すると、法人化を検討するタイミングが訪れます。
法人化には節税や信用力向上といったメリットがありますが、その一方でデメリットも存在します。
本記事では、法人化により増加する手続きや費用負担、リスクについて、税理士の視点から詳しく解説します。
法人化のデメリットを理解し、事業形態を検討する際の参考にしてください。

法人化で増える税務手続きとその負担

個人事業主としての税務申告は、確定申告書(所得税及び消費税)の作成と提出がメインです。
しかし、法人化すると税務手続きは増え、管理がより複雑になります。
法人税の申告が必須となり、加えて消費税や地方税(法人住民税、法人事業税)の申告が必要です。
これに伴い、事業年度ごとに決算を行い、財務諸表の作成も求められます。

また、法人には給与支払いに対する「源泉所得税」の納付義務も発生します。
役員報酬や従業員への給与支払いがある場合、給与計算の手間と、毎月または半年ごとの源泉税の納付が必要です。
法人化後の税務手続きは多岐にわたり、対応を誤るとペナルティが課される可能性もあるため、税理士と顧問契約を結ぶことも選択肢の一つですが、その場合新たに税理士報酬が発生します。

法人税の税率は?所得税との比較

法人化に伴い、法人税の税率で課税されるようになります。
一般に、法人税は利益に対して約23%の税率が適用されますが、地方税を加えると、実効税率は約30%前後になります。
一方、個人事業主の所得税は累進課税制度により、所得が高くなるほど税率も上がります(最高45%)。
所得が増えると、個人事業主の所得税率よりも法人税率の方が有利になる場合が多いため、法人化により節税効果が期待できます。

しかし、法人化することで利益が少ない場合でも法人税が発生することや、法人住民税として最低7万円の均等割が課されることはデメリットです。
利益が少ない年でも法人税の負担が避けられない点に注意が必要です。
個人事業主が法人化する際は、税負担だけでなく事業の収支も十分に検討することが重要です。

設立費用や維持費用の負担はどれくらい?

法人化には、設立時の費用や維持費用の負担もあります。
例えば、株式会社設立には登録免許税が約15万円、さらに定款の認証手数料が必要で、合計で20万円以上のコストがかかるケースが多いです。
合同会社であれば若干安くなりますが、それでも法人化に必要な初期費用は決して小さくありません。

さらに、法人を維持するためのランニングコストも見逃せません。
上述の法人住民税の均等割(年間7万円)に加え、社会保険料の負担も増えます。
個人事業主の場合は国民健康保険と国民年金に加入しますが、法人化により社会保険の加入が義務化され、健康保険や厚生年金の負担が増大します。
これにより法人の運営費が増加することも、デメリットの一つです。

法人の解散にかかる手続きとそのリスク

法人を解散する際は、手続きが非常に煩雑です。
法人解散を決定した後、解散登記を行い、さらに清算事務を進めていく必要があります。
この解散・清算には一定の費用と時間がかかるため、個人事業主としての「廃業手続き」とは異なり、法人解散には手間とコストが発生します。

また、法人解散後も未払いの債務や税金が残ると、代表者が支払義務を負う場合もあるため、清算時のリスクも理解しておくことが重要です。
特に、取引先や金融機関との関係も含め、法人の解散は事業全体に影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。

まとめ

法人化にはさまざまなデメリットが存在します。
増加する税務手続き、法人税や社会保険料の負担、設立および維持費用、解散時の手続きなど、個人事業主と異なるコストや手間が伴います。
法人化することで確かに節税効果や信用力の向上といったメリットが得られる一方、デメリットも多く存在するため、事業規模や利益状況、将来的な事業計画を踏まえて慎重に検討することが重要です。

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堀 真彰
堀 真彰
税理士・公認会計士
大手監査法人で上場企業の監査に従事。 若手起業家を税務の面から支援したい考え、小西とともに弊社を設立。 税務申告の代行者だけではなく、経営のパートナーとして信頼される税理士を目指しています。
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