【令和7年度税制改正】基礎控除とは?所得税の控除額と仕組みを解説!
所得税の届出や申告を控えている方にとって、「基礎控除」や「所得控除」といった言葉はよく耳にするものの、内容を正確に理解している人は少なくありません。
特に令和7年度(2025年分)からの税制改正では、基礎控除の金額や適用条件が大きく変わります。
この記事では、まず「基礎控除とは何か」を整理し、「所得控除の種類」や「令和7年度改正のポイント」までをわかりやすく解説します。
なお、令和7年度の所得税の改正についてはこちらで解説しています。

基礎控除とは?
「基礎控除」とは、所得税の計算において、すべての納税者が一律に受けられる控除制度です。所得(売上や給与など)から必要経費や給与所得控除を差し引いた後に、さらに基礎控除を引いて課税所得を求める仕組みです。
簡単にいえば、「最低限の生活に必要な所得には税金をかけない」という考え方に基づく制度で、全ての納税者が対象となります。
所得控除とは?
「所得控除」とは、税金を計算する前に、一定の金額を差し引くことができる制度です。
基礎控除をはじめ、生活状況や家族構成、支出内容などに応じてさまざまな控除が設けられています。
控除が多ければ多いほど、課税所得が減少し、結果として所得税・住民税の負担が軽くなります。
| 控除の名称 | 内容 |
|---|---|
| 基礎控除 | すべての納税者に適用される控除 |
| 配偶者控除 | 所得の少ない配偶者がいる場合に適用 |
| 配偶者特別控除 | 配偶者の所得が一定額以下の場合に適用 |
| 扶養控除 | 扶養している家族がいる場合に適用 |
| 障害者控除 | 障害のある本人または扶養親族がいる場合に適用 |
| 寡婦(寡夫)控除 | 配偶者と死別・離婚した人に一定の要件で適用 |
| 勤労学生控除 | 働きながら学校に通う学生に適用 |
| 社会保険料控除 | 国民年金・健康保険などの支払い分を控除 |
| 小規模企業共済等掛金控除 | 個人事業主や経営者が共済制度に加入した場合に適用 |
| 生命保険料控除 | 生命保険や個人年金保険の支払額に応じて控除 |
| 地震保険料控除 | 地震保険料を支払っている場合に適用 |
| 医療費控除 | 一定額以上の医療費を支払った場合に適用 |
| 寄附金控除 | ふるさと納税などの寄附金が対象 |
| 雑損控除 | 災害や盗難などで損害を受けた場合に適用 |
令和7年度の改正で何が変わる?
令和7年度の税制改正では、所得税の基礎控除や給与所得控除、配偶者控除などに見直しが入ります。
主なポイントは以下のとおりです。
- 基礎控除の見直し
- 給与所得控除の見直し
- 配偶者控除および配偶者特別控除の見直し
- 特定親族特別控除の創設
これらの改正は、所得再分配の強化や働き方の多様化に対応するための措置として実施されます。
なお、詳細についてはこちらで解説しています。



基礎控除の適用対象と控除額
基礎控除は、すべての納税者が対象ですが、合計所得金額によって控除額が異なります。
令和7年度改正後の控除額は次のとおりです。
| 合計所得金額 | 控除額 |
|---|---|
| 132万円以下 | 95万円 |
| 132万円超〜336万円以下 | 88万円 |
| 336万円超〜489万円以下 | 68万円 |
| 489万円超〜655万円以下 | 63万円 |
| 655万円超〜2,350万円以下 | 58万円 |
改正前は一律48万円でしたが、改正後は段階的に控除額が変わります。
特に年収が低い層では実質的な税負担が軽減される一方、年収が高い層では控除額が従来より減少するケースもあります。
まとめ
基礎控除は、すべての納税者が対象となる基本的な控除であり、令和7年度の改正ではその金額や所得区分が大きく変更されます。
控除額が増えることで多くの人の手取りが増える反面、年末調整や確定申告の仕組みも一部変更されるため、早めの理解と対応が重要です。

