【大阪】確定申告を税理士に丸投げする相場|個人事業主向けに73事務所を集計
この記事を書いた人小西 椋磨(税理士 / 公認会計士)

「確定申告を税理士に丸投げすると、結局年いくらかかるのか」。大阪で税理士を探しても、ホームページの料金表は事務所ごとに書き方が違い、比べにくいものです。
そこで、大阪市内の税理士事務所73件のホームページに掲載されている料金を、売上1,000万円未満の個人事業主が記帳(帳簿づけ)から確定申告まで丸投げする同じ条件で計算し直しました。調査時点は2026年10月です。
年額を計算できた37事務所の中央値(料金を低い順に並べたときの真ん中の金額)は、税込で約37万円でした。ホームページに大きく載っている月額(中央値1万5,000円)を12か月分にした18万円の約2倍です。
この記事では、年額の分布と内訳、確定申告だけを頼む場合の料金、見積もりで確認したい点を、記帳代行と確定申告を日々担当している税理士・公認会計士がまとめました。
確定申告の丸投げにかかる年額
年額を計算できた37事務所の中央値は約37万円でした。
この年額は、毎月の相談や帳簿の入力にかかる費用と、年に一度の確定申告にかかる費用を合計したものです。
消費税の申告がない場合の年額
消費税の申告がない場合、掲載料金から計算した年額は次のとおりでした。
| 集計項目 | 年額(税込・37事務所) |
|---|---|
| いちばん安い事務所 | 15万円 |
| 真ん中の金額(中央値) | 37.4万円 |
| いちばん高い事務所 | 76.2万円 |
37事務所のうち約半分は、年27万〜52万円の間に入っていました。
年額の分布は次のとおりで、20万円台から50万円台まで幅広く散らばっていました。

同じ売上区分でも料金には大きな幅があるため、月額だけでなく、料金に含まれる業務もあわせて見ることが大切です。
消費税の申告がある場合の年額
消費税の申告料まで年額を計算できた21事務所では、中央値は44.4万円でした。消費税の申告にかかる追加料金は、0円(確定申告料に含む)から約10万円までで、中央値は3.3万円でした。消費税の計算方法(簡易課税か原則課税か)によって、申告料を分けている事務所もありました。
インボイス登録(適格請求書を発行するための登録)をすると、売上1,000万円未満でも消費税の申告が必要になります。

調べた事務所と計算の条件
大阪市内に事務所がある73事務所について、2026年10月に各事務所のホームページの料金ページを確認し、個人事業主向けの料金を調べました。
73事務所のうち、記帳から確定申告まで同じ条件で年額を計算できたのは37事務所でした。
計算に使った条件は、次のとおりです。
- 売上は1,000万円未満の料金区分で計算しています。
- 領収書・通帳など月100件前後の資料を渡し、記帳から確定申告まで丸投げする場合です。
- 申告は青色申告65万円控除(一定の要件を満たすと所得から65万円を差し引ける制度)で行う前提です。
- 従業員はいない前提です。
- 面談は、いちばん少ない回数のプラン(年1回の決算時のみ、メール・電話のみなど)で計算しています。
年額は、顧問料(相談・帳簿の確認の料金)×12か月+記帳代行料(帳簿の入力の料金)×12か月+確定申告料(1年分の集計と申告書作成の料金)で計算しました。消費税の申告がある場合は、消費税申告料も加えています。
税別の料金は税込に直し、税込・税別の記載がない場合は掲載金額をそのまま使いました。「〜円」とある料金も、掲載されている最低額をそのまま使っています。料金を公開していない事務所は対象外で、実際の料金は各事務所の見積もりで決まります。
73事務所の内訳は、次のとおりです。

その他16事務所の内訳は、法人の料金のみが6事務所、料金が画像などで読み取れないものが5事務所、確定申告だけの料金のみが3事務所、記帳代行は原則行わないとしているものが1事務所、記帳代行が時間単位の料金のものが1事務所でした。
記帳代行などは取引の量や内容によって作業量が変わるため、個別見積もりにしている事務所もあります。今回は、ホームページの情報だけで年額まで計算できた事務所を集計しました。
年額の内訳と料金の決まり方
37事務所のうち33事務所は、確定申告料を顧問料とは別に載せていました。
月額料金が分かっても、それだけで年間の支払額が分かるとは限りません。まずは、それぞれの料金がどの業務に対応しているかを見ていきます。
顧問料・記帳代行料・確定申告料
顧問料は、年の途中の税務相談や帳簿のチェックにかかる費用です。記帳代行料は、領収書や通帳、カード明細などをもとに会計ソフトへ入力する費用です。
記帳代行料が顧問料に含まれていたのは、37事務所中8事務所でした。

確定申告料は、決算(1年分の売上や経費を集計して利益を確定する作業)と、決算書・申告書の作成にかかる費用です。料金表では「決算料」と書かれている場合もあります。
ホームページの月額と年額の差
ホームページに掲載されている月額の中央値は1万5,000円でした。12か月分にすると18万円ですが、記帳代行料と確定申告料も含めた年額の中央値は約37万円でした。
たとえば、顧問料が年18万円(月1万5,000円)、記帳代行料が年12万円(月1万円)、確定申告料が7万円なら、年間の合計は37万円です。
ホームページの月額が顧問料だけなのか、記帳代行や確定申告まで含んだ料金なのかによって、年間の支払額は大きく変わります。
売上・面談回数・仕訳数による違い
料金に影響するのは、売上の区分、面談・訪問の回数、仕訳(取引を帳簿に記録する単位)の数などです。
売上区分が上がると料金も上がる設定や、面談・訪問の回数によって顧問料が変わる設定が多く見られました。記帳代行料は、仕訳の数が100件増えるごとに上がる形が多くありました。
売上が同じでも、取引の件数が違えば記帳に必要な作業量は変わります。

確定申告だけを頼む場合の料金
確定申告だけを頼むというのは、顧問契約(年間を通して税務相談などを受ける契約)を結ばず、年明けに1年分の領収書・通帳・カード明細をまとめて渡す頼み方です。帳簿づけから決算書・申告書の作成までをまとめて依頼する形で、スポットや年一(ねんいち)とも呼ばれます。
記帳込みで確定申告だけを頼む料金は、掲載を確認できた7事務所では10万〜17万円程度でした。年間を通して頼む場合の中央値約37万円と比べると、年20万円ほど安い金額です。
顧問との違い
| 比べる点 | 確定申告だけ | 顧問 |
|---|---|---|
| 帳簿をつける時期 | 年明けに1年分をまとめてつける | 毎月つける |
| 年の途中の相談 | 原則としてない | 契約の範囲内でいつでも相談できる |
| 節税の相談 | 年明けからでは打てる手がほとんどない | 年内に対策を検討できる |
| 今年の利益の見込み | 年が明けるまで分からない | 毎月把握できる |
取引が少なく、売上が安定している方なら、確定申告だけで足りる場合もあります。費用を抑えたい方にとっては、十分に選択肢になる頼み方です。
一方で、節税のための手の多くは12月までに打つ必要があります。設備を買う時期を決めることや、小規模企業共済(個人事業主が廃業や引退に備えて積み立てる国の制度)に加入して掛金を払うことは、年内に検討する内容です。
消費税やインボイスに関する判断も、年の途中で必要になることがあります。また、資料を1年分まとめて渡す場合は、足りない領収書や明細に気づくのが年明けになります。
なお、今回の調査では、確定申告だけの依頼は受けていないと掲載している事務所も、少なくとも3事務所ありました。
確定申告だけと顧問の違いは、年の途中に相談できるかどうかです。
当事務所(大阪市淀川区)でも、記帳代行から確定申告まで有資格者が直接担当しております。料金は料金ページに掲載しております。
見積もりで確認したいこと
丸投げできる範囲や追加料金の条件は、事務所ごとに異なります。見積もりを取るときは、次の点を確かめておくと、年間の支払額をつかみやすくなります。
- 月額に記帳代行料が含まれているか
- 確定申告料(決算料)が別料金か、その金額はいくらか
- 消費税の申告が必要になったときの追加料金
- 仕訳の数が増えたときの追加料金
- 面談の回数と、訪問かオンラインかといった方法
- 年の途中から頼んだときに、1月から契約前までの月の分の料金もかかるか
- 確定申告だけの依頼を受けているか
見積もりは月額ではなく、年額の合計でそろえると比べやすくなります。
料金とあわせて、資料の渡し方や相談の方法も確認しておくと、依頼したあとのやり取りを思い描きやすくなります。

よくある質問
Q. 売上が1,000万円を超えると、料金はどれくらい変わりますか?
売上の区分が上がり、顧問料・確定申告料ともに上がる事務所が多くあります。また、消費税がかかる売上が1,000万円を超えると、原則としてその年の2年後から消費税の申告が必要になり、その分の申告料もかかります。
Q. 開業1年目でも同じ料金ですか?
開業・創業時の割引や、開業初年度の料金を掲載していた事務所は、少なくとも10事務所ありました。創業から2年間は半額、創業3年以内は2割引き、開業初年度の専用の料金区分など、割引の期間や条件は事務所ごとに異なります。
Q. 自分で会計ソフトに入力すると、どれくらい安くなりますか?
記帳代行料の分が下がる事務所が多くあります。顧問料と別に掲載されている記帳代行料は、中央値で年12万円前後でした。自分で入力する場合の記帳代行料を0円と掲載している事務所も複数ありました。
Q. 年の途中から頼むことはできますか?
年の途中からでも依頼できます。ただし、契約前の1月からの月の分も料金がかかると掲載していた事務所が4事務所ありました。確定申告は1年分をまとめて行うため、契約前の月の帳簿づけも必要になるからです。どの期間の料金がかかるかは、見積もりのときに確認することをおすすめします。
Q. 確定申告の時期だけ頼むのと、1年を通して頼むのはどちらがよいですか?
取引が少なく、毎年の売上や経費がほぼ同じなら、確定申告だけでも足りる場合があります。年の途中に節税や消費税の判断が必要になる方や、毎月の利益を知りたい方には、1年を通して頼むほうが向いています。
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