【Shopify越境EC】確定申告と消費税還付|売上の計上日と輸出書類を税理士が解説
この記事を書いた人小西 椋磨(税理士 / 公認会計士)

Shopifyの売上レポートの数字を、そのまま確定申告に使ってよいのか迷っていませんか。海外向けの販売で消費税還付を受けるには、売上の数字だけでなく、海外へ発送したことを示す書類も必要になります。
この記事では、Shopifyで海外に販売している場合の売上の計上日と金額、輸出の証明書類、eBayなどの売り場との違いを解説します。eBay・Amazonなど物販事業者の記帳と申告を担当している税理士・公認会計士がまとめました。
読み終えるころには、毎月どの書類を保存し、年末に何を確認すればよいかが分かります。
Shopifyの売上の計上日
確定申告の売上は原則として商品を発送した日に計上し、注文日や入金日では判断しません。
Shopifyは「自分の店」です。eBay・Amazonのようなマーケットプレイス(多くの出品者が集まる売り場)と違い、売上の集計、輸出の証明書類、相手国の税金の確認を自分で行います。eBayは米国の売上税などを代わりに徴収しますが、Shopifyでは同じ仕組みが自動で働くわけではありません。
管理画面の「分析」>「レポート」で、カテゴリ「財務」を選ぶと出てくる「Finance Summary」は、注文日で売上を集計します。返金は返品処理をした日にマイナスで計上されるため、そのまま税務上の売上に使うと期間がずれることがあります。
年末に注文と入金があり、年明けに発送した商品は翌年の売上です。年末に受け取った代金は前受金(商品を発送する前に受け取った代金)として扱います。年末年始は、注文日・発送日・入金日を並べて確認しておくと安心です。
売上・送料・手数料の計上
売上はお客様が支払った送料込みの総額で計上し、決済手数料は別の経費として記帳します。
Shopifyペイメントの入出金は、管理画面の「財務」メニューにある入出金のレポートで確認できます。銀行に入金されるのは手数料を差し引いた後の金額なので、入金額だけでは売上の全額が分かりません。
注文額と入金額の違いと仕訳例
送料込みの注文額100,000円、決済手数料3,900円、入金96,100円の例です(手数料の額は説明のための例で、実際の料率とは異なる場合があります)。
発送した日に売掛金(売上のうちまだ受け取っていない代金)を計上し、手数料と入金を分けて記帳します。
(借方)売掛金 100,000円 / (貸方)売上高 100,000円
(借方)支払手数料 3,900円 / (貸方)売掛金 3,900円
(借方)普通預金 96,100円 / (貸方)売掛金 96,100円
入金額の96,100円で売上を立てると、売上が少なく記録され、手数料も経費に出てきません。
円で入金される場合とドルで受け取る場合
ストアの通貨が円で、円で入金される場合は、Shopifyに表示される円の金額で記帳します。
PayPalなどでドルのまま受け取り、ドルで持っておく場合は、円への換算と為替差損益(為替相場の変動で生じる利益や損失)の計算が必要です。考え方は次の記事で解説しています。

消費税還付を受けるための条件
輸出による消費税還付を受けるには、課税事業者となり、一般課税で申告する必要があります。
輸出の売上には輸出免税(輸出する商品の売上に消費税をかけない仕組み)が適用され、消費税は0円です。一方、国内の仕入れや梱包資材、国内の送料などで支払った消費税は差し引けるため、差し引く額のほうが多ければ還付になります。
ただし、すべての支出に日本の消費税が含まれているわけではありません。日本郵便・DHL・FedExの国際送料には消費税がかからないため、還付の計算には入りません。クレジットカードの決済手数料も、一般に消費税がかかりません。
還付を受けられるのは、課税事業者(消費税の申告と納税をする事業者)のうち、一般課税(売上と仕入れ・経費の消費税を実際の金額で計算する方法)で申告する方です。簡易課税や2割特例(実際の仕入れの消費税を使わずに計算する方法)を選ぶと、輸出が多くても還付はありません。
免税事業者のままでは還付を受けられません。課税事業者を選ぶ届出は、個人の場合、原則として還付を受けたい年の前年末までに提出します(開業した年はその年の末日まで)。届出の時期は次の記事で詳しく解説しています。

Shopifyの請求書と登録番号
Shopifyの月額料金やアプリ代は、海外の会社からの請求が多くあります。請求書に日本の登録番号(インボイスを発行できる事業者の番号)があるかどうかで、還付の計算に入れられるかが変わります。
管理画面の「設定」>「請求」で請求書を毎月保存し、請求元と登録番号を確認しておくと安心です。
関税を売り手が負担する条件(DDP)で発送し、相手国の関税や税金を支払った場合、その金額は経費になりますが、日本の消費税の還付の対象にはなりません。
発送方法ごとの輸出証明書類
輸出免税を受けるには、発送方法と郵便物の価額に応じた証明書類を7年間保存します。
Shopifyの注文データや売上レポートだけでは、輸出の証明になりません。国税庁が示している保存書類は、次のとおりです。
| 発送方法と価額 | 保存する証明書類 |
|---|---|
| 国際郵便で1個20万円以下の国際小包・EMS | 日本郵便が交付する引受けを証する書類と、発送伝票などの控え |
| 国際郵便で1個20万円以下の通常郵便物 | 引受けを証する書類に、品名と品名ごとの数量・価額を書き足したもの |
| 国際郵便で1個20万円超 | 税関の輸出許可書 |
| クーリエ(DHL・FedExなどの国際宅配便) | 税関の輸出許可書 |
20万円の判定は、原則として郵便物1個あたりの価額で行います。2021年10月からは郵便物についても書類の保存が必要になり、帳簿に記録するだけでは足りなくなりました。
クーリエの輸出許可書
クーリエでは運送会社が輸出の申告を代行するため、輸出許可書は発行を依頼しないと手元に届かないことがあります。DHLは輸出者本人からの発行依頼を受け付けています。月ごとにまとめて取り寄せ、Shopifyの注文と対応させて保管しておくことをおすすめします。
あわせて、書類の輸出者名が自分(自社)になっているかを確認します。発送代行業者の名前になっていると、自分の還付として認められないおそれがあります。
2026年10月からの代金の受け取り方と書類
2026年10月1日以後の輸出では、代金を現金で受け取る場合や、取引相手以外の名義から振り込まれる場合など、誰が支払ったのか分からない方法で受け取ると、上の書類に加えて相手国の輸入許可書などの保存も必要になりました。
国税庁の説明で対象外と明記されているのは、銀行振込や荷為替手形による決済です。Shopifyでの通常の販売とは別に、海外の卸先と現金や第三者名義の振込でやり取りする取引がある場合は、輸入許可書を取り寄せられるかを事前に確認しておくと安心です。
国内の転送業者に届ける注文
お客様が日本国内の転送業者の住所を届け先に指定した注文は、国内で商品を引き渡す取引です。購入者が海外に住んでいても輸出免税にはならず、日本の消費税10%がかかる売上として扱います。
Shopifyの注文一覧で配送先の国が日本になっている注文を抜き出し、海外向けの売上と分けておくと、申告のときに区別しやすくなります。
Shopifyでよくある記帳ミス
Shopifyの記帳ミスの多くは、注文・入金・発送の日付の違いと、証明書類の保存漏れから生じます。
- 注文日や入金日で売上を立てると、年をまたぐ取引の計上年がずれ、所得を正しく計算できません。
- 手数料を引いた入金額で売上を立てると、売上と経費の両方が少なく記録され、消費税の計算にも影響します。
- 国内の転送業者に届けた注文を輸出免税にすると、日本の消費税を少なく申告することになります。
- クーリエの輸出許可書を取り寄せていないと、輸出の証明ができず、免税や還付が認められないおそれがあります。
- 簡易課税や2割特例を選んでいると、国内の仕入れで消費税を払っていても還付は受けられません。
また、年末に残っている在庫は売れるまで経費になりません。仕入れた金額をすべてその年の経費にすると、所得が少なく計算されます。棚卸の方法は次の記事で解説しています。

売上が伸びたあとの毎月・毎年の確認
Shopifyの記帳と申告は、書類の保存と国内外の税金の確認を、毎月・毎年続けられる体制で進めることが大切です。
売上が増えると、相手国の税金も確認が必要になります。米国では、州ごとに一定の売上を超えると、その州の売上税の登録が必要になる場合があります。英国では、135ポンド以下の商品を消費者に直接売る場合、海外の事業者もVAT(付加価値税)の登録が必要です。EUには、150ユーロ以下の商品について販売時にVATを受け取って申告するIOSSという仕組みがあります。
これらは日本の確定申告とは別の手続きです。当事務所が担当するのは日本の税金の申告ですので、相手国の税金は現地の専門家への確認と、Shopifyの税金設定の確認をおすすめしております。
日本の税金だけを見ても、請求書の保存と輸出許可書の取り寄せは毎月、年末の発送日の区切りと課税事業者の届出の確認は毎年の作業です。売上が伸びた段階では、法人化するかどうかの判断も必要になります。

当事務所では、Shopifyの注文・入金・発送の記録と輸出の証明書類を毎月照合し、記帳から確定申告、消費税の還付申告までを継続してお引き受けしております。
Tax Advisory
確定申告・記帳は、税理士に相談しませんか。
個人事業主の確定申告から法人の決算まで対応。税務顧問は月額16,500円〜(税込)・決算料0円です。
初回相談無料|2営業日以内にご返信いたします|料金・サービス内容を見る



