【インボイス制度】軽減措置や2割特例、80%控除など間違いやすいポイントを解説!
今回は、インボイス制度の間違いやすいポイントを解説します。
軽減措置って何が適用できるのか
結局どの軽減措置が適用できるのか
など疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
インボイス制度は多くの軽減措置がありますが、対象者を限定している措置や似たような制度で混乱しやすいため注意が必要です。
この記事では、いくつかの間違いやすい制度をピックアップして解説します。
この記事を読めば、インボイス制度が整理され、事務手続きの効率化や節税することが可能となります。
インボイス制度の概要
インボイス制度の正式名称は、「適格請求書等保存方式」と言います。
インボイス制度は、取引ごとに発行される請求書(インボイス)に詳細な取引情報を記載することで、消費税の適正な申告と納税を促進する仕組みです。
従来の制度との変更点としては、請求書の記載内容及び免税事業者の扱いが大きく異なります。
インボイス制度での、適格請求書の要件は下記になります。(国税庁)
また、インボイス制度の詳細については、以下の記事で解説しています。
インボイス制度の主な特例
インボイス制度が導入されると、事務作業や税負担が急激に増加することが予想されるため、負担軽減措置が設けられました。
【インボイス制度の負担軽減措置】
- 2割特例
- 少額特例
- 返還インボイス
- 手続の柔軟化
また、免税事業者との取引がある課税事業者の急激な負担を軽減するため、仕入税額控除の経過措置もあります。
仕入税額控除の経過措置とは、免税事業者等からの課税仕入れでも一定割合の仕入税額控除ができるという制度です。
間違いやすいポイント
少額特例と返還インボイスの交付免除
間違いやすいポイントとして、少額特例と返還インボイスの交付免除が挙げられます。
1万円未満の金額であれば、特例として軽減措置が利用できる点は共通ですが、制度の内容や対象者が異なります。
少額特例とは、1万円未満の課税仕入れをした場合、インボイスの保存がなくても一定の事項を記載した帳簿の保存のみで仕入税額控除ができるという制度です。
この特例は、仕入先がインボイス発行事業者であるかどうかは関係なく、免税事業者であっても同様です。
なお、税抜きではなく税込みで1万円未満であることが要件であるため、注意が必要です。
また、少額特例は適用期間や対象者が定められています。
✔ 対象者
基準期間における課税売上高が1億円以下
又は
特定期間における課税売上高が5千万円以下 の事業者
✔ 適用期間
少額特例の適用期間は、令和5年10月1日から令和11年9月30日までの期間が対象となります。
基準期間とは、個人事業者の場合は前々年、法人の場合は前々事業年度のことをいいます。
また、特定期間とは、個人事業主の場合は前年1月~6月までの期間、法人の場合は前事業年度の開始から6か月までの期間をいいます。
少額特例の詳細については、以下の記事で解説しています。
返品や値引きをする場合、適格返還請求書を交付しなければなりません。
しかし、実務上銀行の手数料を差し引いて入金があった場合などあるため、少額な返還は返還インボイスの交付が免除されることになりました。
少額なインボイスの交付義務免除は、税込み1万円未満である場合、返還インボイスの交付義務が免除されるという制度です。
なお、返還インボイスの交付免除は、会社の規模や期間などの制限はありません。
2割特例と仕入税額控除の経過措置(80%控除)
間違いやすいポイントの2つ目は、2割特例と80%控除が挙げられます。
どちらも2割にするという点では共通ですが、制度が異なるため注意が必要です。
2割特例とは、インボイス制度により免税事業者から課税事業者になった方について、仕入税額控除の金額を売上税額の8割とすることができるという制度です。
したがって、細かい仕入税額控除の計算が不要となり一律売上税額の2割が消費税額となります。
2割特例の詳細については以下の記事で解説しています。
なお、2割特例の制度では、対象者や期間が定められています。
✔ 対象者
インボイス制度により課税事業者となった方が対象です。
したがって、インボイス制度に登録していない方や課税売上高1,000万円を超える方については2割特例の対象者ではありません。
✔ 期間
対象期間は、令和5年10月1日から令和8年9月30日までの日の属する課税期間です。
80%控除は、仕入税額控除の経過措置の制度であり、免税事業者等からの課税仕入れの80%を控除できるという制度です。
対象となる取引は、免税事業者からの仕入れや課税事業者からであってもインボイスの要件に満たさない請求書も対象となります。
✔ 対象者
課税事業者が対象となります。
✔ 期間
経過措置の期間は、令和5年10月1日から令和8年10月1日までの3年間が対象です。
また、令和8年10月1日から令和11年10月1日までの3年間は50%の控除が可能となります。
80%控除については、以下の記事で詳細に解説しています。
まとめ
今回は、インボイス制度の間違いやすいポイントについて解説しました。
インボイス制度は様々な経過措置があり、ややこしく複雑です。
そのため、しっかりと情報を整理して経理のミスをしないように注意しましょう。
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