【eBay輸出】経費にできるもの一覧|手数料・送料の消費税還付の扱いまで税理士が解説
この記事を書いた人小西 椋磨(税理士 / 公認会計士)

「eBayの手数料や国際送料は、どこまで経費にできるのか」。eBay輸出を本業にしている方の経費は、国内のネット販売と比べて迷う項目が多くなります。
この記事では、eBay輸出でよく出てくる経費を「所得税・法人税の経費になるか」と「消費税の還付の対象になるか」の2段階に分け、勘定科目と記帳の注意点まで解説します。eBay・Amazonなど物販事業者の記帳と申告を担当している税理士・公認会計士がまとめました。
読み終えるころには、手元の明細を見て、どの支出をどう記帳すればよいか判断できるようになります。
eBay輸出の経費は「経費になるか」と「消費税が戻るか」を分けて考える
所得税・法人税の経費になるかは、売上を得るために必要な支出かどうかで決まります。一方、消費税の還付の対象になるかは、その支払いに日本の消費税がかかっているかで決まります。判断の基準が違うため、経費になっても、消費税は戻らない支出があります。
なお、消費税の還付を受けられるのは、課税事業者(消費税を納める義務がある事業者)として申告している方です。免税事業者のままでは、経費がいくらあっても還付はありません。届出の時期は次の記事で解説しています。

eBay輸出の主な経費の一覧
| 項目 | 勘定科目の例 | 経費にできるか | 消費税の還付 |
|---|---|---|---|
| 仕入れた商品(売れた分) | 仕入高 | できる | 対象(個人からの仕入れは条件あり) |
| 仕入れの送料 | 仕入高 | できる | 対象 |
| eBayの手数料(落札手数料・広告費・ストア月額) | 支払手数料・広告宣伝費 | できる | Tax Invoiceに日本の消費税の記載があれば対象 |
| Payoneerなどの手数料 | 支払手数料 | できる | 対象外 |
| 為替差損 | 為替差損 | できる | 対象外 |
| 国際送料(日本郵便・FedEx・DHLなど) | 荷造運賃 | できる | 対象外 |
| 梱包資材・国内の送料 | 荷造運賃・消耗品費 | できる | 対象 |
| リサーチツールなどの月額料金 | 支払手数料・通信費 | できる | 請求書に日本の消費税の記載があれば対象 |
| 外注費 | 外注費 | できる | 国内は対象(相手による)、海外は対象外 |
| 家賃・光熱費 | 地代家賃・水道光熱費 | 事業で使う分はできる | 住宅の家賃は対象外、光熱費は対象 |
| パソコン・カメラ | 消耗品費・工具器具備品 | 事業で使う分はできる | 対象 |
| 古物商許可の申請手数料 | 租税公課 | できる | 対象外 |
| 講座・コンサル費用 | 研修費・開業費 | 事業に必要ならできる | 国内の事業者への支払いは対象 |
| 借入金の利息 | 支払利息 | できる | 対象外 |
| 借入金の返済(元本) | ― | できない | 対象外 |
| eBay Collected Tax | ― | 経費にしない | 対象外 |
会計ソフトの多くは、勘定科目を選ぶと消費税の区分が自動で入ります。eBay輸出では、その初期設定のままだと誤りになる項目がいくつかあります。ここからは、お金が出ていく場面ごとに見ていきます。
eBayの手数料は売上と分けて計上し、Tax Invoiceで消費税を確かめる
落札手数料・広告費・ストア月額
落札手数料(Final Value Fee)、eBay内の広告費(Promoted Listings)、ストアの月額料金は、いずれも経費になります。日本のセラーに請求されるeBayの手数料には日本の消費税が上乗せされており、Tax Invoiceに記載された消費税の額が、還付の計算に入れられる金額です。
Tax Invoiceは、Seller Hub → Payments → Reports → Tax Invoices から月ごとにダウンロードできます。払った消費税を証明する書類になるので、確定申告の前にまとめて取るのではなく、毎月保存しておくことをおすすめします。
Google広告など、eBayの外で出す広告の費用は、eBayの手数料と同じ扱いにはならない場合があります。広告の請求書ごとに、日本の消費税の記載を確認します。
手取り額ではなく、売上と手数料を分けて記帳する
Payoneerに入ってくるのは手数料を差し引いた後の金額ですが、売上は手数料を引く前の金額で計上し、手数料は別に経費として計上します。手取り額だけで売上を立てると、売上と経費の両方が少なく記録され、還付の計算に入れるはずの手数料の消費税も漏れてしまいます。
売上100ドル、eBay手数料15ドル、前月末のTTM(銀行が公表する為替の基準レート)が150円の場合の仕訳例です。為替レートは、前月末のTTMなど一度決めた方法を毎年続けて使うことが条件です。
| 場面 | 借方 | 貸方 |
|---|---|---|
| 発送したとき(売上) | 売掛金 15,000円 | 売上高 15,000円 |
| eBay手数料 | 支払手数料 2,250円 | 売掛金 2,250円 |
返品や返金で手数料の一部が戻った場合(Fee credit)は、支払手数料を減らす処理をします。
Payoneerの手数料と為替差損は、消費税の対象外
Payoneerなどの手数料と、入金時の為替差損は経費になりますが、日本の消費税はかかっていません。会計ソフトでは「対象外」の区分で入力します。入金時の為替差損益の計算は、次の記事で仕訳例とあわせて解説しています。

国際送料は経費になるが、消費税の還付の対象にはならない
国際送料を「課税仕入れ10%」で入力しない
日本郵便の国際郵便、FedEx、DHLなどで海外へ送る料金は、荷造運賃として経費になります。ただし、日本から海外へ荷物を運ぶ料金は輸出免税(海外への輸出や国際輸送には消費税がかからない仕組み)の対象で、日本の消費税はかかっていません。
国際送料を「課税仕入れ10%」のまま入力すると、払っていない消費税まで還付を申告することになります。還付の申告は税務署が内容を確認することが多く、こうした誤りは問い合わせや税務調査で直されます。
配送サービスによっては、国内での集荷料などが一緒に請求されることもあります。サービス名だけで判断せず、請求書や明細に書かれた消費税の記載で確かめます。
梱包資材・国内の送料は還付の対象
段ボール・緩衝材・テープ・ラベルなどの梱包資材や、仕入れ先から自宅・倉庫までの送料、転送業者の国内倉庫までの送料は、国内の取引なので消費税がかかっています。経費になり、還付の対象にもなります。
仕入れと事業の経費は、支払先が国内か海外かで消費税が変わる
仕入れ・仕入れの送料・交通費
仕入れた商品は、売れた分だけがその年の経費(売上原価)になります。仕入れの送料は商品の仕入れ値に含め、仕入れに出かけたときの交通費は旅費交通費にします。
メルカリやヤフオクなどで個人から中古品を仕入れた場合、相手はインボイス(適格請求書)を出せません。それでも、古物商の許可を持ち、帳簿に決められた事項を書いておけば、払った消費税を還付の計算に入れられる特例があります。

外注費・ツールの月額料金
出品・撮影・梱包などを国内の個人や会社に外注した費用は、外注費として経費になります。消費税は、相手がインボイスの登録をしているかで扱いが変わり、登録していない相手への支払いは、経過措置(制度が始まってしばらくの間の緩和ルール)により一部だけが還付の計算に入ります。
海外のフリーランスへの外注費は、原則として日本の消費税がかかっていないため、還付の対象外です。リサーチツールや翻訳ツールなど海外のサービスの月額料金は、日本の消費税を請求しているサービスと、していないサービスがあります。海外のサービスは、請求書に日本の消費税(JCT・Consumption Tax)の記載があるかで扱いが決まります。
家賃・光熱費・パソコン
個人事業主が自宅の一部を作業場や在庫置き場にしている場合、家賃や光熱費のうち事業で使っている割合を経費にできます(家事按分)。住宅の家賃は消費税がかからない取引のため還付の対象外で、電気代などは事業で使う割合の分が対象です。法人の場合は家事按分ではなく、会社が借りて社宅にする形などで経費にする方法を検討します。
パソコンやカメラは、10万円以上なら原則として数年に分けて経費にします(減価償却)。青色申告の個人事業主と中小法人には、2026年4月1日以降に買ったものは1つ40万円未満(それより前は30万円未満)まで、買った年に全額を経費にできる特例があります(年の合計300万円まで)。
古物商許可・講座費用
古物商許可の申請手数料(19,000円)は租税公課として経費になりますが、役所に払う手数料なので消費税はかかりません。申請を行政書士に頼んだ場合の報酬は、消費税がかかる支払いです。
eBayの講座やコンサルの費用は、事業に必要な内容であれば経費になります。開業前に払ったものは開業費として計上し、開業後の好きな年に経費にできます(任意償却)。金額の大きい講座は、契約書・領収書・カリキュラムを残し、事業との関係を説明できるようにしておくと安心です。
経費にならないもの・処理を間違えやすいもの
eBay Collected Taxは所得に影響させない
eBay Collected Taxは、買い手の国の売上税をeBayが預かり、eBayが納めるものです。セラーの収入でも経費でもありません。売上を総額で取り込んで同じ額を差し引く方法でも、最初から売上に含めない方法でも構いませんが、最終的に所得と消費税の計算に影響しない形にしておくことが大切です。
返金・返品は経費ではなく売上を減らす
返金した金額は経費ではなく、売上を減らす処理(売上戻り・値引き)をします。返品の送料をセラーが負担した場合は、その送料が経費になります。戻ってきた商品が年末に残っていれば、在庫に含めます。
借入金の返済は、利息の分だけが経費になる
仕入れの資金を日本政策金融公庫や銀行から借りている場合、毎月の返済額のうち経費になるのは利息の部分だけです。元本の返済は借りたお金を返しているだけなので、経費にはなりません。同じように、借りたお金が口座に入っても売上にはなりません。
返済額をまるごと経費にしていると、利益が実際より少なく計算されます。返済予定表で元本と利息を分け、利息は支払利息として記帳します。利息には消費税がかからないため、還付の対象外です。
税金・家族への支払い・年末の在庫
個人の所得税・住民税、生活費、私物の購入は経費になりません。家族に発送作業などを手伝ってもらって給与を払う場合は、青色事業専従者給与の届出を出し、届け出た範囲で支払う必要があります。
年末に売れ残った在庫は、支払いが済んでいても、その年の経費にはなりません。数を数えて金額を出し、経費から外します。

本業の方は「毎月の記帳」で経費の漏れと還付の誤りを防ぐ
eBay輸出の経費は、取引のたびに「経費になるか」と「消費税がかかっているか」の2つを判断します。売上、eBay手数料、Payoneerの手数料、国際送料、梱包資材、外注費が毎月発生するため、年に一度まとめて処理すると、Tax Invoiceや配送の明細を探し直す手間が増え、国際送料の区分のような誤りも見落としやすくなります。
毎月の記帳で消費税の区分まで分けておけば、申告の時期に慌てず、還付の申告も根拠を持って出せます。還付を受けている方にとって、この判断は毎年続きます。
当事務所では、eBay・Amazonなど物販事業者の毎月の記帳と確定申告、消費税の還付申告をお引き受けしております。完全オンラインで、全国からご相談いただけます。区分に迷っている明細があれば、一度ご相談ください。
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