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税理士の探し方|5つの方法と失敗しない選び方を税理士が解説

この記事を書いた人堀 真彰(税理士 / 公認会計士)

税理士の探し方|5つの方法と失敗しない選び方を税理士が解説

はじめに

こんにちは、税理士法人淀川パートナーズの堀です。

「税理士に頼みたい。でも、どうやって探せばいいのかわからない」——ご相談の入口で、この言葉を本当によく聞きます。

日本税理士会連合会によると、税理士の登録者数は令和8年8月末日現在で82,343人。大阪府を含む近畿税理士会だけでも15,580人が登録しています。この中から自分に合う一人を選ぶわけですから、迷って当然です。

インターネットで「税理士 探し方」と検索すると、「8つの方法」「9つの方法」といった記事が並びます。ただ、選択肢を増やされても決めやすくはなりません。

この記事では、税理士を探す方法を実際に使われている5つに絞って比較表で整理し、そのうえで「何を基準に選ぶか」「いつ依頼するか」「今の税理士を変えたいときはどうするか」まで、税理士自身の立場から解説します。

税理士を探す5つの方法|メリットとデメリット比較表

探し方はいろいろな呼び方で紹介されますが、実質的には次の5つに集約されます。大事なのは方法の数ではなく、それぞれで「誰が候補を選んでいるか」が違うことです。

方法メリット注意したい点向いている人
検索エンジンで探す候補が多く、料金や方針を事前に読み込める比較に時間がかかる自分で条件を整理できている人
知人・取引先の紹介人柄がわかっている安心感合わなかったとき断りにくい同業の知人が近くにいる人
税理士紹介サイト条件を伝えれば候補が絞られる掲載は登録事務所に限られる自分で探す時間がない人
税理士会・商工会議所公的な窓口で中立性が高い相性まで見てもらうのは難しいまず制度や無料相談から入りたい人
金融機関の紹介融資と相性のよい事務所に当たりやすい取引のある金融機関が必要資金調達を控えている人

検索エンジンで探す

「地域名+税理士」「業種名+税理士」で検索する方法です。事務所のサイトを直接読めるので、料金表・対応業務・誰が担当するのかを契約前に確認できるのが最大の利点です。

一方で、候補が多すぎて比較に時間がかかります。後述する「選び方の3軸」を先に決めてから検索すると、絞り込みが一気に楽になります。

知人や取引先から紹介してもらう

昔からいちばん多いルートです。人柄や仕事ぶりを知っている人からの紹介なので、安心感があります。

ただし紹介者の事業と自分の事業が違えば、必要な支援も変わります。飲食店に強い事務所が、IT関連の事業にも強いとは限りません。また、合わなかったときに断りづらく、紹介者との関係にも気を使うことになります。紹介であっても、面談して条件を確認するプロセスは省かないほうが安全です。

税理士紹介サイトを使う

条件を入力すると、運営会社が候補の事務所を紹介してくれるサービスです。利用者側は無料で使えるものがほとんどです。

仕組みを知っておくと判断しやすくなります。あるサービスでは、公式サイトに「登録税理士からシステム利用料を頂くことで運営しております」と明記されています。利用者が無料なのは、その費用を紹介を受けた税理士側が負担しているからです。

これは仕組みの説明であって、良し悪しの話ではありません。時間をかけずに候補を絞れるのは実際に大きな利点です。押さえておきたいのは、紹介されるのはそのサービスに登録している事務所に限られるという一点だけです。登録していない事務所は、どれだけ条件に合っていても候補に出てきません。紹介サイトと検索を併用すると、この偏りを補えます。

税理士会や商工会議所に相談する

各地の税理士会や商工会議所では、無料相談会や相談窓口を設けていることがあります。特定の事務所に誘導されない中立的な窓口なので、「そもそも税理士に頼むべき段階なのか」から相談したい方には向いています。

実施日程や内容は地域ごとに異なるため、お住まいの地域の税理士会・商工会議所の案内をご確認ください。

金融機関から紹介してもらう

融資取引のある銀行・信用金庫から紹介を受ける方法です。金融機関が実務を見てきた事務所が紹介されるため、資金調達や事業計画の場面では相性のよい候補に当たりやすくなります。

当然ながら、取引のある金融機関がなければ使えません。これから創業する方にとっては、選択肢に入りにくい方法です。

番外:クラウド会計の認定アドバイザーから探す

freeeやマネーフォワードといったクラウド会計ソフトは、そのソフトに詳しい税理士事務所を認定・公開する制度を持っています。すでに使っているソフトが決まっている方には有効な絞り込み方です。

ただし、これは「そのソフトに習熟しているか」を示すものであって、事業分野との相性や料金を保証するものではありません。候補を絞る入口として使い、判断は次章以降の軸で行うのが現実的です。

その税理士は登録されているか?|税理士名簿で確認する方法

意外に知られていませんが、税理士かどうかは、誰でも無料で確認できます。

税理士法では、次のように定められています。

  • 第18条(登録):税理士となるには、税理士名簿に氏名・事務所の所在地などの登録を受けなければならない
  • 第52条(税理士業務の制限):税理士または税理士法人でない者は、税理士業務を行ってはならない
  • 第53条(名称の使用制限):税理士でない者は、税理士・税理士事務所またはこれらに類似する名称を用いてはならない

つまり、税理士を名乗って税務の仕事を請け負うには登録が必須で、登録は名簿に載ります。日本税理士会連合会が運営する「税理士情報検索サイト」では、同会が「税理士及び税理士法人は、必ず事務所所在地を管轄する税理士会に所属し、日本税理士会連合会に登録されている」と説明したうえで、登録された税理士・税理士法人を検索できるようになっています。トップページの「依頼する税理士を探す」から確認できます。

確認しておきたいのは、次のようなケースです。

  • 「税務コンサルタント」など、税理士とよく似た肩書きで営業されている
  • 法人名は聞いたことがあるが、実際に申告書を作る人が誰かわからない
  • 紹介で話が進み、資格を確認しないまま契約寸前になっている

なお、税理士に依頼できる業務は税理士法第2条第1項で「税務代理」「税務書類の作成」「税務相談」の3つと定められています。記帳代行そのものはこの3つに含まれないため、税理士以外の事業者も行うことができます。記帳だけを外注するのか、申告まで任せるのかで、依頼先の選択肢が変わるということです。ここを整理しておくと、見積もりの比較がぐっと正確になります。

選び方の3軸|料金・専門分野・連絡手段

候補が集まったら、次は比べ方です。チェック項目を10も20も並べた記事がありますが、実務で本当に差が出るのは料金・専門分野・連絡手段の3つです。

軸1:料金は「何をどこまで」で決まる

税理士報酬に公的な標準額はなく、各事務所が自由に決めています。そのため金額だけを並べても比較になりません。同じ「月2万円」でも、記帳が含まれるか、決算料が別途かかるか、消費税申告が入るかで中身がまったく違います。

見積もりを取るときは、次の4点を必ずそろえて聞いてください。

  • 記帳(帳簿づけ)は自分でやるのか、任せるのか
  • 決算料・申告料は月額に含まれるのか、別途か
  • 消費税申告の有無と、その料金
  • 面談の回数と、それを超えた場合の扱い

依頼パターン別の費用相場は、別記事で詳しくまとめています。

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軸2:専門分野は「税目」ではなく「事業のフェーズ」で見る

「相続に強い」「法人税に強い」といった税目での違いも大事ですが、依頼する側にとってより実感しやすいのは事業のどの段階を支援してきたかです。

  • これから創業する → 創業融資・事業計画の実績があるか
  • 個人で伸びてきた → 法人化の判断を数字で示してくれるか
  • 従業員を雇い始めた → 給与・源泉徴収・社会保険の周辺まで見てくれるか
  • 事業承継や相続が視野に入る → 資産税の経験があるか

事務所のサイトにその分野の記事や実績が具体的に書かれているかは、わかりやすい判断材料になります。

軸3:連絡手段とレスポンスの速さ

見落とされがちですが、契約後の満足度をいちばん左右するのはここです。「聞きたいときに聞けるか」に尽きます。

面談時に確認しておきたいのは、連絡手段(メール・電話・チャット・LINE)、返信の目安、そして担当が税理士本人か、職員かの3点です。職員が担当すること自体は普通のことですが、誰に何を聞けるのかを最初に把握しておくと、あとで齟齬が生じません。

対面かオンラインか|距離で選ぶ必要はあるのか

かつては「税理士は近所で探すもの」でした。帳簿や領収書を紙で受け渡し、毎月訪問してもらうのが前提だったからです。

クラウド会計と電子申告が一般的になった今、この前提は変わりました。資料はデータで共有し、面談はオンラインで完結できます。

対面中心オンライン中心
候補の数通える範囲に限られる全国から選べる
資料のやりとり紙の受け渡しがしやすいデータ共有が前提
面談その場で書類を広げて話せる移動時間ゼロで回数を増やしやすい
向いている人紙の資料が多い・対面で相談したい地域に候補が少ない・時間を優先したい

どちらが優れているという話ではありません。ただ、「近いから」だけを理由に選ぶと、専門分野や料金という本来の判断軸を捨てることになります。地域に候補が少ない方ほど、オンライン対応の事務所を候補に入れる価値があります。

私たち淀川パートナーズも、大阪市淀川区に事務所を構えながら、全国のお客様にオンラインで対応しています。

税理士に依頼すると何が変わるか

候補を比べる段階になると、「そこまでして頼む必要があるのか」と迷う方もいます。ここで一度、依頼すると何が変わるのかを整理しておきます。変わるのは「作業が減ること」だけではありません。

申告を任せられる

税理士法第2条第1項の「税務代理」「税務書類の作成」により、申告書の作成と税務署への提出を代理してもらえます。これは税理士だけができる業務です。

あわせて、税務調査の連絡窓口と立会いも税理士が引き受けられます。調査の通知が届いてから慌てて探すより、日頃から見てもらっている状態のほうが対応は確実です。

経理の時間が本業に戻る

記帳を外注すれば、帳簿づけに使っていた時間がそのまま空きます。月に10時間経理に使っている方なら、年間120時間です。この時間を売上づくりに回したときの効果と、支払う報酬を比べて判断するのが現実的な考え方です。

判断を相談できる相手ができる

実務でいちばん大きいのは、おそらくここです。「この支出は経費になるか」「今年法人化すべきか」「この借入は返せるか」——決算が終わってから相談しても、打てる手はほとんど残っていません。期中に相談できる相手がいるかどうかで、結果が変わります。

一方で、当然ながら費用は発生します。また、丸投げしても領収書や請求書を集めて渡す作業までは無くなりません。「何をどこまで任せられるのか」を契約前に具体的に確認しておくことが、満足度を左右します。

依頼するタイミング|個人と法人で期限が違う

「いつ頼めばいいか」という質問もよくいただきます。法律で期限が決まっている手続きがあるので、そこから逆算するのがいちばん確実です。

個人事業主は3月15日が基準

青色申告をするには、事前に税務署へ承認申請が必要です。所得税法第144条は、提出期限を次のように定めています。

  • 原則:青色申告をしようとする年の3月15日まで
  • その年の1月16日以後に新たに事業を開始した場合:開始した日から2か月以内

この期限を過ぎると、その年は青色申告ができません。青色申告特別控除も、赤字の繰越しも使えなくなります。開業したらまず確認すべき期限で、相談のタイミングとしてもここが起点になります。

法人は設立から3か月が基準

法人の場合、法人税法第122条により、青色申告の承認申請は原則としてその事業年度開始の日の前日までに提出します。

ただし設立した年度については特例があり、「設立の日以後3か月を経過した日」と「その事業年度終了の日」のうち、いずれか早い日の前日までが期限です。設立から3か月というのは、会社を立ち上げた直後の慌ただしい時期にあっという間に過ぎます。設立前後が、税理士を探すもっとも自然なタイミングだと考えてください。

資金調達を考えているなら融資の前

創業融資や設備投資の借入を考えている場合は、申し込む前にご相談ください。事業計画や資金繰り表は、作り直しがきかない場面があります。

創業融資の支援を税理士に依頼した場合の費用については、こちらで料金表まで公開しています。

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また、日本政策金融公庫の面談で実際に何を聞かれるのかは、こちらにまとめています。

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今の税理士を変えたいときの進め方

探し方の相談のうち、一定数は「今の税理士を変えたい」というご相談です。言いにくいことなので、進め方を整理しておきます。

まず、切り替えるなら決算・確定申告が終わった直後がもっとも安全です。期の途中で交代すると、前の事務所と新しい事務所で処理方針が分かれたり、資料の引き継ぎが不完全になったりするリスクがあります。

進め方の手順は次のとおりです。

  • 不満の中身を言語化する(料金・レスポンス・提案がない・担当者との相性など)
  • 次の候補を先に決めてから、現在の契約を解約する
  • 契約書の解約予告期間を確認する(数か月前の申し出が必要な場合がある)
  • 返却を受ける資料を確認する(総勘定元帳・決算書・申告書の控え・仕訳データなど)
  • 会計ソフトのデータ形式と、アカウントの名義を確認する

特に大事なのがデータとアカウントの名義です。会計ソフトの契約が税理士事務所名義になっていると、解約と同時にデータを見られなくなることがあります。切り替えを決めたら早めに確認してください。

契約前に確認したい5項目

最後に、契約を決める前のチェックリストです。面談の場でそのまま聞いていただける形にしました。

確認項目具体的に聞くこと
料金の範囲月額に何が含まれ、何が別料金か。決算料と消費税申告は別か
担当者誰が担当するか。税理士本人と話せる機会はどのくらいあるか
連絡手段と頻度何で連絡でき、返信の目安はどのくらいか
会計ソフトどのソフトを使うか。データの名義は自分か事務所か
解約の条件解約予告はいつまでか。返却される資料は何か

そして、見積もりは必ず書面でもらってください。口頭の「だいたい月2万円くらい」は、あとで認識のずれが生まれる最大の原因です。

また、面談は1事務所で決めず2〜3事務所と話すことをおすすめします。比較対象があると、料金の妥当性も説明のわかりやすさも判断しやすくなります。

初回相談で何を聞けばよいか迷う方は、よくいただく質問と回答をまとめたこちらもご覧ください。

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まとめ

  • 税理士の登録者数は令和8年8月末日現在で82,343人、近畿税理士会だけで15,580人
  • 探し方は検索・紹介・紹介サイト・税理士会・金融機関の5つに集約される
  • 紹介サイトが利用者無料なのは、費用を税理士側が負担しているため。掲載は登録事務所に限られる
  • 税理士かどうかは日本税理士会連合会の「税理士情報検索サイト」で誰でも確認できる
  • 選ぶ軸は料金・専門分野・連絡手段の3つ。料金は金額ではなく「何がどこまで含まれるか」で比べる
  • 青色申告の承認申請は個人が3月15日(1月16日以後の開業は2か月以内)、法人は設立から3か月と事業年度末の早いほう
  • 税理士を変えるなら決算・申告の直後。会計ソフトのデータ名義を必ず確認する

※本記事は2026年9月時点の情報です。個別の税務判断はご相談ください。

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Written by

堀 真彰

税理士 / 公認会計士

堀 真彰Hori Masaaki

数字が苦手な方にも、専門用語に頼らずわかりやすくお伝えすることを大切にしています。事業計画書から日々の税務まで、一つひとつの課題に粘り強く向き合います。

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