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【eBay輸出】売上1,000万円超えの消費税|届出と還付の受け方を税理士が解説

この記事を書いた人小西 椋磨(税理士 / 公認会計士)

【eBay輸出】売上1,000万円超えの消費税|届出と還付の受け方を税理士が解説

「eBayで中古品を販売しています。2年前の売上が初めて1,000万円を超えましたが、課税事業者の届出はまだ出していません。今年の消費税はどうなりますか」というお問い合わせを最近いただきました。

結論から言うと、2年前の課税売上高が1,000万円を超えていれば、届出を出していなくても今年は課税事業者です。輸出の売上には消費税がかからないため、一般課税で申告すれば、仕入や経費で払った消費税が戻ってくる(還付される)ことが多くなります。

eBay輸出セラーの記帳と消費税還付の申告を担当している税理士・公認会計士が、課税事業者になる時期の判定から、届出、還付を受けるための申告と書類までを順に解説します。読み終えるころには、ご自身がいつから課税事業者になるかを判定し、届出と還付の申告の準備を始められます。

eBay輸出で課税事業者になる時期

個人事業主の消費税の納税義務は、その年の売上ではなく、2年前の課税売上高で決まります。この2年前の1月〜12月を基準期間といいます。

基準期間の課税売上高が1,000万円を超えていれば、届出の有無にかかわらず、その年は課税事業者です。

課税事業者は、消費税の申告と納税をする義務がある事業者です(消費税法9条)。

売上が1,000万円を超えた年課税事業者になる年
2024年の課税売上高が1,450万円2026年分
2025年に初めて1,000万円を超えた2027年分

このように、売上が1,000万円を超えた年と、課税事業者になる年は2年ずれます。

もう一つ、特定期間(個人は前年1月1日〜6月30日)の課税売上高が1,000万円を超えた場合も、課税事業者になります。ただしこの判定では、売上高の代わりに、同じ期間に払った給与の合計額を使うこともできます(消費税法9条の2)。判定の仕組みは、国税庁のタックスアンサー「No.6501 納税義務の免除」にまとめられています。

1,000万円の判定に入る売上

基準期間の課税売上高は、国内の課税売上(税抜)に輸出などの免税売上を加え、返品・値引き・割戻しを差し引いて計算します。

日本から発送したeBayの売上は、消費税がかからなくても1,000万円の判定に含めます。

輸出免税(輸出の売上に消費税をかけない扱い)は、税率がかからないだけで、判定から外れるわけではありません。また、基準期間に免税事業者(消費税の納税義務がない事業者)だった場合は、受け取った金額を税抜にしません。その金額のまま判定に使います(消費税法基本通達1-4-5)。

売上の種類1,000万円の判定に入るか
日本から発送したeBayの売上(輸出免税)入る
メルカリ・ヤフオクなど国内の売上入る
海外の倉庫・保管サービスから売った分入らない(国外取引)
返品・値引き差し引く

「海外の保管サービスに預けて売った分も1,000万円に入りますか」というご質問もいただきます。売ったときに商品が海外にある場合は国外取引(日本の消費税の対象外の取引)になり、判定には入りません(消費税法4条3項1号)。

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海外で保管して売った分のように、所得税の申告では売上に入っても、消費税の判定には入らない売上があります。

課税事業者になったときの届出

課税売上高が1,000万円を超えた年が終わったら、課税事業者の届出を速やかに提出します。

提出するのは、消費税課税事業者届出書(基準期間用)です。e-Tax(国税の電子申告)でも書面でも提出できます。様式と書き方は、国税庁の「消費税課税事業者届出手続(基準期間用)」のページから入手できます。届出が遅れても課税事業者であることは変わらないため、出し忘れに気づいた時点で提出します。

名前の似た消費税課税事業者選択届出書は、売上が1,000万円以下の人が、自分から課税事業者を選ぶための別の届出です。

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インボイス(適格請求書)の発行事業者の登録も、課税事業者になることとは別の手続きです。海外の購入者に売るeBay輸出では、インボイスを求められる場面はほとんどなく、還付の申告にご自身の登録は条件になりません。国内の事業者に売る取引がある場合は、登録が必要かを別に検討します。

消費税還付を受けるための申告方法

還付を受けるには、一般課税で申告し、仕入と輸出を裏付ける帳簿と書類を保存しておくことが必要です。

一般課税と簡易課税の違い

還付が出るのは、一般課税(実際に払った消費税を差し引いて計算する方法)で申告する場合だけです。輸出の売上には消費税がかからないため、仕入・送料・eBay手数料などで払った消費税のほうが多くなり、その差額が戻ります。

簡易課税(売上の消費税に一定の割合を掛けて計算する方法)は、基準期間の課税売上高が5,000万円以下で、届出をした場合に使えます。ただし、実際の仕入ではなく売上の消費税から計算するため、輸出が中心の事業では還付が出ません。

2割特例(2026年分まで)と、個人向けの3割特例(2027・2028年分)も、売上の消費税から納める額を計算する制度です。どちらも基準期間の課税売上高が1,000万円以下の人が対象のため、1,000万円を超えて課税事業者になった年には使えません。

期首在庫の消費税の調整

免税事業者だった期間に仕入れ、課税事業者になる日の前日に残っている在庫は、その仕入の消費税を、課税事業者になった年の仕入の消費税に加えられます(消費税法36条1項)。2026年から課税事業者になる場合は、2025年12月31日に残っている在庫が対象です。

国税分の消費税は、在庫の取得価額(引取運賃などの付随費用を含む税込の金額)に110分の7.8を掛けて計算します(食品など軽減税率の商品は108分の6.24)。適用するには、在庫の明細を書類にまとめて7年間保存する必要があります(国税庁タックスアンサー「No.6491」)。この調整は一般課税で申告する場合に行うもので、仕入先がインボイス発行事業者でなかった在庫の扱いなど、細かい要件は在庫ごとに確認が必要です。

物販は在庫が多いため、この調整で差し引ける額も大きくなりがちです。年末の棚卸(残っている商品の数量と金額の確認)の明細を、そのまま調整の資料に使えます。

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還付に必要な帳簿と書類

還付の申告に向けて、次の資料をそろえておきます。

  • eBayの販売記録と発送の記録を、輸出したことを示す書類として保存します。
  • 仕入の請求書や領収書を保存します。
  • eBay手数料のTax Invoiceを、Seller Hub → Payments → Reports → Tax Invoicesから毎月ダウンロードして保存します。

なお、eBayの通常の決済ではなく、代金を現金や購入者以外の名義で受け取る取引は、2026年10月から相手国の輸入許可書などの保存が追加で必要になりました。

フリマアプリや個人からの仕入でも、古物商の許可を受けて事業として仕入れる場合は、帳簿に必要な事項を書けば、インボイスがなくても消費税を差し引ける特例があります。取引の金額によっては相手の住所・氏名の記載が必要になり、匿名で取引した仕入では要件を満たせないことがあります。

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手書きのノートだけでは、どの仕入がどの発送につながるかを追いにくく、還付の内容を税務署に説明するときに手間がかかります。会計ソフトに記帳し、取引ごとに書類と対応させておくことをおすすめします。

個人の消費税の申告期限は翌年3月31日です。2026年分は2027年3月31日までに申告します。還付の申告では、税務署から内容を確認する連絡が来ることがあります。

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当事務所では、課税事業者の届出から、手書きの記録や取引履歴をもとにした記帳の整理、消費税還付の申告まで、有資格者が直接担当しております。全国どこからでもオンラインでご相談いただけます。

売上が1,000万円以下に戻ったとき

2年前の課税売上高が1,000万円以下に戻ると、特定期間による判定やインボイスの登録などで課税事業者になる場合を除き、その年は免税事業者に戻ります。この場合は「消費税の納税義務者でなくなった旨の届出書」を提出します。免税事業者の年は、還付を受けられません。

免税事業者に戻る年も還付を受けたい場合は、前年の12月31日までに課税事業者を選ぶ届出が必要です。

このとき出すのが消費税課税事業者選択届出書で、期限は免税事業者に戻る年の前年12月31日です。一度選ぶと、原則2年間はやめられません。

売上は年によって変わるため、毎年「2年前の課税売上高」と「前年1月〜6月の課税売上高」を確かめて、届出が必要かを判断することになります。

還付が年1回では資金繰りが苦しい場合は、課税期間(消費税を計算する期間)を3か月や1か月に短くして、還付を早く受ける方法もあります(消費税法19条)。届出をした次の期間から適用され、原則2年間は続けます。

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まとめ

  • 2年前の課税売上高が1,000万円を超えた年は、届出がなくても課税事業者です。
  • 日本から発送したeBayの売上も、1,000万円の判定に含めます。
  • 課税事業者の届出は、1,000万円を超えた年が終わったら速やかに提出します。
  • 還付を受けるには、一般課税で申告し、帳簿と書類を保存しておくことが必要です。
  • 免税事業者に戻る年も還付を受けたい場合は、前年12月31日までに選択届出を出します。

課税事業者になった後も、毎年の1,000万円の判定と届出、毎月の記帳と書類の保存、年末の棚卸、翌年3月の消費税の申告が続きます。売上の伸び方によっては、法人化の時期も判断することになります。

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小西 椋磨

税理士 / 公認会計士

小西 椋磨Konishi Ryoma

「数字で経営の現状を可視化し、判断材料を増やす」ことが私の役割です。創業期の融資から日々の税務まで、実務の現場を止めない体制を整えます。

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