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税金

会社を辞めて独立するなら知っておきたい税務の落とし穴【税理士が解説】

小西 椋磨

会社を退職して個人事業主として開業する場合、健康保険・年金・雇用保険といった一般的な退職手続きに加えて、税務面での準備が必要です。「何から手をつければいいかわからない…」という方が多いですが、最初に押さえておくべき税務のポイントはそれほど多くありません。見落とすと後から困るポイントを税理士の視点でまとめました。

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開業届・青色申告承認申請書は開業直後に提出する

開業後に必ず提出すべき書類が2つあります。

開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)
開業後1ヶ月以内に、所轄の税務署に提出します。

青色申告承認申請書
開業届と同時に提出することをおすすめします。提出期限は原則「開業日から2ヶ月以内」です(1月1日〜1月15日に開業した場合はその年の3月15日まで)。

青色申告を選択すると、最大65万円の青色申告特別控除や赤字の繰越控除などが使えます。提出し忘れるとその年は白色申告しか選べなくなるため、開業直後に必ず手続きしてください。

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退職した年の確定申告は給与所得と事業所得を合算して申告する

退職した年は、在職中の給与所得と開業後の事業所得を合算して確定申告する必要があります。

年の途中で退職した場合、会社による年末調整は行われません。翌年3月15日までに自分で申告する必要があります。「事業の収入だけ申告すればいい」と思っていると、給与分の所得税が抜けてしまうので注意してください。

確定申告には退職した会社から発行される源泉徴収票が必要です。通常の会社であれば退職後に郵送されますが、まれに発行してもらえないケースもあります。退職時に必ず発行を依頼し、なくさないよう保管しておきましょう。

退職後の住民税はいつ届く?普通徴収への切り替えと支払いスケジュール

退職後、住民税の仕組みが大きく変わります。

会社員のときは給与から自動天引き(特別徴収)されていますが、退職後は自分で納付する普通徴収に切り替わります。

6月以降に退職した場合は、退職後すぐに残りの当年分(〜翌年5月分)の納付書が届きます。さらに翌年6月には、在職中の所得をもとに計算した新年度分の住民税通知が届きます。

在職中の給与が高かった分だけ、退職後に収入が減っていても金額は変わりません。「退職後に収入が減ったのに去年と同じ金額の住民税が来てびっくりした」というご相談は毎年いただきます。退職後の資金計画に組み込んでおきましょう。支払いは年4回(6月・8月・10月・翌年1月)か、6月に一括払いを選択できます。

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消費税・インボイス登録はどうする?開業時の判断ポイント

開業初年度と2年目は、前々年の課税売上がないため原則として消費税の免税事業者になります。

ただし、インボイス(適格請求書)登録をするかどうかは早めに判断が必要です。

  • B2B取引がメインの場合:インボイス未登録だと取引先が仕入税額控除を受けられないため、登録を求められることがあります。
  • B2C取引がメインの場合:登録の必要性は比較的低めです。

インボイス登録によって課税事業者になる場合、簡易課税か原則課税かの選択も必要です。簡易課税を選択するには「消費税簡易課税制度選択届出書」をその課税期間が始まる前日(=12月31日)までに提出しなければなりません。年末に慌てないよう、開業後早めに検討してください。

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インボイス登録すべきか迷っている方は、お気軽にLINEでご相談ください。

翌年の所得税・住民税・個人事業税・消費税に備えて資金を確保しておく

開業後に見落としがちなのが、翌年にまとめて来る税金の支払いです。個人事業主になると、以下の税金を自分で納付することになります。

  • 所得税:翌年3月(確定申告時)
  • 住民税:翌年6月から4回(または6月に一括)
  • 個人事業税:翌年8月・11月の2回
  • 消費税:課税事業者の場合、翌年3月

在職中は給与から自動的に引かれていたものが、開業後は一気にまとめて請求されます。収入が入ったときにある程度税金分を手元に残しておく習慣をつけることが大切です。

早めに税理士に相談した方がいいケース

従業員を雇う場合

従業員を雇用すると、毎月の給与から所得税を天引きして税務署に納付(源泉徴収)する義務が生じます。納付期限を守らないと不納付加算税がかかります。雇用のタイミングで早めに相談することをおすすめします。

記帳が追いつかない場合

開業後は会計ソフトを使ってこまめに記帳しておくと、確定申告時の作業が大幅に楽になります。記帳に慣れていない場合はAI記帳代行の活用もおすすめです。

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償却資産税の申告(見落としがち)

パソコン・車・機械設備など一定の固定資産を保有している場合、翌年1月31日までに償却資産税の申告が必要です。

開業時から資産を持っている方でも、1月になってから「これ必要だったんですか?」とご相談にいらっしゃるケースがよくあります。申告自体は課税標準額が150万円未満であれば税額はゼロですが、申告は必要です。1月から準備できるよう、頭に入れておいてください。

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まとめ

退職して個人事業主になる場合のポイントを整理します。

  • 開業届・青色申告承認申請書は開業直後に提出
  • 退職した年は給与所得+事業所得を合算して確定申告。源泉徴収票は必ず発行してもらい保管しておく
  • 住民税は退職後すぐと翌年6月の2回通知が来ると思っておく
  • インボイス登録と簡易課税の選択は早めに判断
  • 翌年の所得税・住民税・個人事業税・消費税に備えて資金を確保しておく
  • 従業員を雇う場合は源泉徴収の義務が発生するため税理士に早めに相談
  • 固定資産がある場合は翌年1月31日の償却資産税申告を忘れずに

退職後の税務手続きは、早めに動くほど選択肢が広がります。初回相談無料ですので、気軽にお問合せください。

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小西 椋磨
小西 椋磨
税理士・公認会計士
税理士・公認会計士/税理士法人淀川パートナーズ代表。大手監査法人出身。2023年に独立し、大阪市淀川区を拠点に創業融資支援から税務顧問まで、創業期・成長期の経営者の財務の右腕として伴走しています。
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