所得税はいくらかかる?計算方法と税率を税理士が解説【2026年版】

はじめに
こんにちは、税理士法人淀川パートナーズの堀です。
「自分の所得税っていくらかかっているの?」「計算方法が複雑でよくわからない」と感じていませんか?
所得税の計算は、実は5つのステップに分けると誰でも流れを追えるようになります。しかも令和7年度の改正で基礎控除が大きく変わり、多くの方の税額が下がっています。
この記事では、所得税の計算方法を5ステップで整理し、改正後の数値を使った具体的な計算例まで、税理士がわかりやすく解説します。
所得税とは?
所得税とは、個人の1年間(1月1日〜12月31日)の所得にかかる国の税金です。給与・賞与、事業の利益、不動産の家賃収入など、所得の種類ごとに計算のルールが決まっています。
所得税と住民税の違い
- 所得税:国の税金。所得が多いほど税率が上がる累進課税(5%〜45%)。その年の所得に対してかかる
- 住民税:都道府県・市区町村の税金。税率は原則一律10%。前年の所得に対して翌年課税される
「収入が増えた翌年に住民税の請求が来て驚いた」というのはこの時間差が原因です。この記事では所得税の計算を中心に解説します。
所得税の計算方法【5ステップ】
所得税は次の5ステップで計算します。
- ステップ1:収入から「所得」を計算する
- ステップ2:所得から「所得控除」を差し引く
- ステップ3:課税所得に税率を掛ける
- ステップ4:税額控除を差し引く
- ステップ5:復興特別所得税を加える
ステップ1:収入から「所得」を計算する
収入と所得は別物です。収入から「かかった経費」を差し引いたものが所得です。
- 会社員・パートの場合:給与収入 −「給与所得控除」(経費の代わりに収入に応じて自動計算される控除。最低65万円〜最高195万円)
- 個人事業主の場合:売上 − 必要経費(さらに青色申告なら最大65万円の青色申告特別控除)
ステップ2:所得から「所得控除」を差し引く
所得から、個人の事情に応じた所得控除を差し引きます。主なものは次のとおりです。
- 基礎控除:原則58万円(所得が少ない方は最大95万円。令和7年度改正で48万円から引き上げ)
- 社会保険料控除:健康保険・年金などの支払額全額
- 配偶者控除・扶養控除:最大38万円・63万円など
- 生命保険料控除・iDeCo(小規模企業共済等掛金控除)・医療費控除 など
差し引いた後の金額が「課税所得」です。控除を漏らさず使うことが、所得税を抑える基本です。
ステップ3:課税所得に税率を掛ける
課税所得に、次の速算表を当てはめます(課税所得が大きい部分ほど高い税率がかかる累進課税です)。
| 課税所得金額 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 195万円未満 | 5% | 0円 |
| 195万円以上330万円未満 | 10% | 97,500円 |
| 330万円以上695万円未満 | 20% | 427,500円 |
| 695万円以上900万円未満 | 23% | 636,000円 |
| 900万円以上1,800万円未満 | 33% | 1,536,000円 |
| 1,800万円以上4,000万円未満 | 40% | 2,796,000円 |
| 4,000万円以上 | 45% | 4,796,000円 |
計算式は「課税所得 × 税率 − 控除額」です。たとえば課税所得300万円なら「300万円×10%−97,500円=202,500円」となります。
ステップ4:税額控除を差し引く
計算した税額から直接差し引ける税額控除があれば適用します。代表例は住宅ローン控除や配当控除です。所得控除(ステップ2)と違って税額から直接引けるため、節税効果が大きいのが特徴です。
ステップ5:復興特別所得税を加える
最後に、所得税額の2.1%の復興特別所得税を加えた金額が、実際に納める税額です。
令和7年度改正で基礎控除・給与所得控除が変わりました
令和7年度税制改正で、計算の前提となる2つの控除が引き上げられました。
- 基礎控除:48万円 → 58万円に。さらに所得に応じた上乗せがあり、給与収入おおむね200万円以下の方は95万円、中間的な所得の方も令和7・8年分に限り63万〜88万円に増額
- 給与所得控除:最低保障額が55万円 → 65万円に
この改正により、給与収入160万円までは所得税がかからなくなり、それを超える多くの方も減税になっています。改正の全体像と基礎控除の詳しい仕組みは、こちらの記事をご覧ください。


計算例:年収400万円の会社員の場合
改正後の数値で、年収400万円の会社員(独身・2026年分)の所得税を計算してみます。
- ステップ1:給与所得控除 = 400万円×20%+44万円 = 124万円 → 給与所得 = 400万円 − 124万円 = 276万円
- ステップ2:基礎控除88万円(令和7・8年分の上乗せ後)+ 社会保険料控除 約60万円 → 課税所得 = 276万円 − 148万円 = 128万円
- ステップ3:128万円 × 5% = 64,000円(195万円未満なので税率5%)
- ステップ4:税額控除なし
- ステップ5:64,000円 × 102.1% ≒ 約65,300円
年収400万円でも、所得税は年間約6.5万円です(社会保険料は概算。生命保険料控除などがあればさらに下がります)。なお、基礎控除の上乗せ部分(この例の88万円)は令和7・8年分限定のため、令和9年分(2027年分)からは基礎控除58万円で計算し直す点に注意してください。
個人事業主・フリーランスの方は、経費の計上や青色申告特別控除(最大65万円)の使い方で税額が大きく変わります。原則として、開業時に青色申告を選んでおくのが有利ですが、状況によって最適な方法は異なります。迷ったらご相談ください。
まとめ
最後に、この記事のポイントを整理します。
- 所得税は5ステップで計算する:収入→所得→所得控除→税率→税額控除・復興税
- 税率は5%〜45%の累進課税。「課税所得×税率−控除額」の速算表で計算できる
- 令和7年度改正で基礎控除は58万円(+所得に応じた上乗せ)、給与所得控除は最低65万円に
- 給与収入160万円までは所得税ゼロ。年収400万円の会社員でも年間約6.5万円が目安
- 基礎控除の上乗せ部分は令和7・8年分限定。2027年分からは金額が変わる
- 所得控除・税額控除を漏らさないことが節税の基本。個人事業主は青色申告の活用を
※本記事は2026年7月時点の情報です。個別の税務判断はご相談ください。
【申告・税務でお困りの方へ】
「自分のケース、どうすればいいかわからない」という方は、お気軽にご相談ください。
税理士法人淀川パートナーズは大阪市淀川区の税理士事務所です。
個人事業主・フリーランス・中小企業の税務顧問・確定申告・記帳代行を全国オンライン対応しています。
初回相談は無料です。LINEで「相談したい」とお送りください。






